【論文掲載】ゲノム微生物学研究室の研究成果がInternational Journal of Molecular Sciences誌に掲載されました

ゲノム微生物学研究室の島田友裕准教授、来島楓(博士前期課程1年)は、法政大学マイクロ・ナノテクノロジー研究センター 石浜明客員教授の研究グループと協力して、大腸菌の鞭毛形成遺伝子群を包括的に制御する転写因子FlhDCが、炭素源代謝やエネルギー生産に関わる遺伝子群を活性化することを明らかとしました。

生物がゲノムに持つ遺伝子を選択的に利用する仕組みを理解することは、ポストゲノム時代の先端的研究課題の1つです。ゲノム微生物学研究室の島田友裕准教授の研究グループは、大腸菌をモデル微生物として、大腸菌が持つ全ての転写制御因子の機能解明をめざしています。その一環で本研究では、大腸菌の鞭毛形成遺伝子群を包括的に制御する転写因子FlhDCのゲノム制御ネットワークの解析を行いました。その結果、FlhDCは鞭毛の形成や作動だけでなく、糖の取り込みや分解経路の遺伝子群を活性化していることが分かりました。微生物の運動には鞭毛の形成や作動が伴いますが、そのためには多くのエネルギーが必要です。本研究成果により、微生物は運動する際に、鞭毛の形成や作動だけでなく、炭素源代謝によるエネルギー生産も行っていること、またその協調的制御の仕組みが明らかとなりました。

本研究は学術原著論文として、スイスの国際学術誌「International Journal of Molecular Sciences」(電子版)に2023年2月12日付で掲載されました。

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