明治大学大学院農学研究科 環境バイオテクノロジー研究室の西井麻貴(博士前期課程1年)、小山内崇准教授らの研究グループは、ラン藻におけるクエン酸蓄積の要因を明らかにしました。
光合成を行うラン藻は、二酸化炭素から有用物質を生産できるため、化石燃料に代わる持続可能な物質生産に向けて、近年注目されています。ラン藻の中でも、シネコシスティス 注1は、モデルラン藻として基礎研究から応用研究まで広く研究されています。
本研究では、シネコシスティスのアコニターゼに注目し、特性を生化学的に解析しました。ラン藻はアコニターゼとイソクエン酸デヒドロゲナーゼの2つの酵素の特性のため、場合によっては、アミノ酸の生合成に関わる2-オキソグルタル酸を生成し、クエン酸の蓄積もできると発見しました。
本研究成果は、2021年8月24日にイギリスの国際オンライン科学誌「 Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。
注1)シネコシスティス
淡水性で、球形の単細胞性のラン藻。1996年に全ゲノム配列が決定された。増殖が速い、遺伝子組換えが容易、凍結保存が可能などの利点から、広く研究されている。
農芸化学科HP: https://meiji-agrichem.jp/
環境バイオテクノロジー研究室HP: https://osanaimeiji.wixsite.com/website