明治大学農学部農芸化学科の島田友裕(准教授)は、メルボルン大学のSpencer J Williams教授の研究グループやヨーク大学のGideon J Davies教授の研究グループ、法政大学の石浜明客員教授らとの国際共同研究により、スルホグリコリシスにおける酵素のスルホ糖選択性を分子レベルで明らかとしました。
アニオン性糖であるsulfoquinovose (SQ)は光合成生物の膜(含硫黄脂質)に含まれる成分であり、自然界で最も豊富に存在する有機硫黄化合物の一つです。そのため、硫黄源としてSQを分解して利用することが期待されておりますが、その分解経路(スルホグリコリシス)の酵素反応の詳細は分かっておりませんでした。
今回の国際共同研究により、スルホグリコリシスの鍵酵素であるsulfoquinovose isomeraseとsulfofructose kinaseの基質特異性を明らかとしました。また、生成物であるsulforhamnose (SR)が転写因子CsqR (regulator of the catabolism of SQ)に作用し、スルホグリコリシスの発現制御に関与していることを明らかとしました。