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【論文掲載】生物機能化学研究室の研究成果がBioorganic & Medicinal Chemistry Lettersに掲載されました | 明治大学 農学部農芸化学科

【論文掲載】生物機能化学研究室の研究成果がBioorganic & Medicinal Chemistry Lettersに掲載されました

根寄生雑草は、アフリカで年間1兆円とも言われる甚大な農業被害をもたらしています。日本国内では、大きな被害は出ていないものの、外来種であるヤセウツボと呼ばれる根寄生植物が至るところで観察されています。今回、生物機能化学研究室の来馬道生(博士前期課程2年在籍)、鈴木泰輝(博士前期課程1年在籍)、瀬戸義哉(准教授)らの研究グループは、単純なアミノ酸であるトリプトファン及びその誘導体が、ヤセウツボの発芽とその後の幼根伸長を制御するという興味深い現象を発見しました。

根寄生植物の発芽は、通常、寄生する相手となる植物の根から放出されるストリゴラクトンと呼ばれる分子によって誘導されます。根寄生植物にとっては、寄生する相手の存在下のみで発芽するために獲得した、巧妙な生存戦略と考えられています。

今回、研究グループはトリプトファン、或いは、トリプトファンを前駆体として生合成される植物ホルモンのオーキシンが、このストリゴラクトン依存的なヤセウツボの発芽と、発芽後の幼根伸長を阻害する作用も有することを発見しました。また、この成果をもとに、オーキシンとストリゴラクトンの作用を併せ持ったハイブリッド分子を合成したところ、この分子がヤセウツボの発芽を促進するとともに、発芽後の幼根伸長を阻害するという二つの作用を併せ持った分子であることを発見しました。

さらに、トリプトファンのアミノ基がアセチル化されたN-アセチルトリプトファンは、発芽阻害作用は示さなかったのですが、むしろストリゴラクトンのように発芽を誘導する作用を有することが明らかになりました。ストリゴラクトンとは全く異なる化学構造を持った分子が発芽を誘導するという現象は興味深く、新たな根寄生植物の発芽制御剤開発に向けたリード化合物となり得ることが期待されます。

根寄生植物に対する効果的な防除法の一つに、寄生する相手が存在しない状態で、ストリゴラクトンなどの分子を散布することで強制的に発芽させ、枯死に至らせる、自殺発芽誘導法が考案されています。本研究で見出された分子が、新しいタイプの自殺発芽誘導剤として用いることが出来る可能性があり、今後の研究の発展が期待されます。

 

論文はこちら https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0960894X21003115?via%3Dihub

プレスリリースはこちら https://www.meiji.ac.jp/koho/press/6t5h7p00003b8cwo.html

生物機能化学研究室ホームページリンク https://setoyoshiya.wixsite.com/mysite

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