ストリゴラクトンの受容体タンパク質DWARF14には、配列・構造が良く似たパラログであるKAI2が存在します。KAI2は、煙由来の発芽促進物質カリキンの受容体タンパク質として見出されてきましたが、植物における機能は十分には解明されていません。特に、カリキンは外因性の分子であり、KAI2経路で働く内在性のリガンド、すなわち新たな植物ホルモンの存在が示唆されています。今回、私たちは、基部植物であり、モデル苔植物であるヒメツリガネゴケに存在する11種類のKAI2ホモログについての機能解析を行いました。うち、3つについては、結晶構造を取得することに成功し、D14/KAI2ファミリータンパクのリガンド特異性に関わる新たなメカニズムも発見しました。これらの研究成果がさらに発展し、KAI2リガンドの発見につながることが期待されます。(本研究は、京都大学化学研究所の山口信次郎教授と、ソーク研究所のJoanne Chory教授との共同研究として実施されました)