研究テーマ
1)タンパク質のアミノ酸配列と立体構造の関連性
・データベースに登録されているエントリー数
アミノ酸配列~約1億件、 立体構造~約13万件
・アミノ酸配列が類似していれば、立体構造も類似。
・立体構造既知のタンパク質とアミノ酸配列が類似していないタンパク質も多数存在し、この中には機能未知のタンパク質も多数含まれる。
・立体構造が分かれば機能をある程度予測可能。
➡アミノ酸配列から立体構造を予測する方法の開発が切望されている!
・2次構造領域(αへリックス、βストランド)については約80%で予測可能だが2次構造領域の空間配置予測がまだ十分ではない(図A)。
(図A)
➡水素結合の有無を考慮して立体構造データベース中のβシートを解析し(図B(逆平行シートの例))、アミノ酸ペア毎の出現頻度を求め、その頻度を基にしてβストランドの並び順や向きを予測する方法の開発を目指す 。
2)タンパク質の分子進化
・分子進化とは~アミノ酸や塩基配列に基づいて、分子レベルで見た進化を推定する。
・基本的な考え~進化的に近い関係にあるならば、突然変異が起こる確率は低く、アミノ酸配列(あるいは塩基配列)の類似性が高い。
⇒配列類似性に応じて、配列間の進化的関係性が推定できる。
・分子進化の研究により
i)生物は進化の過程でどの様にタンパク質の種類を増やしたか?
ii)タンパク質から見た進化はどうなるか?
iii)生合成経路がどのようにして出来上がってきたか?
等を明らかにすることが出来る。
・研究室メンバー:修士2年0名;修士1年0名;学部4年7名;学部3年7名
研究業績
統計的手法を用いた逆平行および平行βsheet中でのstrand ペア形成予測法の開発(2007) 鈴木博実・竹本周二、明治大学農学部研究報告 56:209-227
遺伝的アルゴリズムを用いた edge strand と central strand の判別法の開発(2006) 鈴木博実、明治大学農学部研究報告 55:159-168
A procedure for detecting Similarity between distantly related protein families.(2000) H.Suzuki, S. Fukuchi and K. Horimoto Proceedings of second international congress ISAAC vol.2, Kluwer Academic Publisher, New. York pp1275-1280
A bacteriophage T4 DNA/protein sequence database available on the world wide web. (1998) H. Suzuki, F. Arisaka, E. Kutter, E. Thomas, A. Tsugita and T. Kunisawa. Res. Comm. Biochem. Cell Mol. Biol. 2:309-322.