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微生物化学研究室
Microbial Chemistry

担当教員: 村上周一郎 教授/博士(農学)

<研究略歴>

1992年 神戸大学自然科学研究科資源生物科学専攻博士後期課程修了(博士(農学)
1992年 神戸大学農学部農芸化学科 助手
2002年 神戸大学農学部生物機能化学科 助教授
2008年 明治大学農学部農芸化学科 准教授
2018年 明治大学農学部農芸化学科 教授

ひとこと
 自然界からの微生物の分離(スクリーニング)から始める微生物のなんでも屋です。微生物に関わる面白そうなことを見つけたら、何でもトライします。

<主な担当科目>

微生物化学、微生物生理学、微生物学実験、バイオテクノロジー実験

<研究室所在>

第一校舎3号館3階3-304A室

研究テーマ

<微生物による温室効果ガスの削減>

温室効果ガスであるメタンや亜酸化窒素を利用して生育する微生物を分離・利用することで、これらの温室効果ガスの発生源からの放出を抑制し、地球温暖化の緩和を目指す。また水田に棲息するメタン生成菌の生態調査を行うとともに、メタン放出に関わる新規なメタン生成菌を分離し、その性質を明らかにする。

<微生物酵素による新規なオリゴ糖の生産>

食品分野などで様々な用途で利用されている新規な機能性オリゴ糖を生産する微生物を分離し、その微生物が生産するオリゴ糖生産に係る酵素の性質を明らかにする。

<植物繊維分解糸状菌に関する研究>

草食性高等生物の糞から分離した繊維素分解糸状菌の生産する繊維素分解酵素を精製し、その特性を明らかにするとともに、これらをコードする遺伝子の発現調節機構を解明する。

<接合菌を用いた発酵食品の生産>

接合菌を用いたドライエイジング法による熟成肉やインドネシアの伝統的発酵食品であるテンペやタペを製造できる微生物の分離、および分離菌株を用いて製造した発酵食品の評価やその機能性を解析する。また発酵食品の製造に鍵となるプロテアーゼやリパーゼについて、その酵素化学的特性を明らかにする。

<糸状菌による窒素固定と微生物肥料への応用>

窒素飢餓環境で生長する植物に寄生し、窒素源を供給する可能性のある微生物の分離と、分離菌株を用いた新たな作物の栽培方法の開発を目指す。

 

上記以外に、「軽油分解菌の遺伝子発現特性」、「微生物が生産するバイオサーファクタントの構造解析」、「光感受生菌における光照射条件下での生理・生化学的応答」、「新規水溶性塩基性抗生物質の構造解析」、「輸入木材内生菌の分布」等について、研究を進めています。

 

・研究室メンバー:修士2年4名;修士1年2名;学部4年7名;学部3年7名

研究業績

Analysis of functional xylanases in xylan degradation by Aspergillus niger E-1 and characterization of the GH family 10 xylanase XynVII, SpringerPlus, 2: 447 (2013).

Direct cloning of gene encoding a novel amylomaltase from soil bacterial DNA for large–ring cyclodextrin production, Applied Biochemistry and Microbiology, 2014, 50 (1): 17–24 (2014).

Characterization of amylomaltase from Thermus filiformis and the increase in alkaline and thermo-stability by E27R substitution, Process Biochemistry, 50: 1814-1824 (2015).

Localization of functional b-xylosidases, encoded by the same single gene, xlsIV (xlnD), from Aspergillus niger E-1, Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 81(3):621-624 (2017).

食肉熟成用の布、熟成肉の製造方法及び布の製造方法:特開2017‐147950