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環境分析化学研究室
Environmental Analytical Chemistry

担当教員: 安保 充 准教授/農学博士

<研究略歴>

995年東京大学農学研究科修士課程修了。
1995年より同大学農学部助手,2002年同講師を経て2012年より明治大学農学部専任准教授。
2001年に東京大学博士(農学)取得。

<主な担当科目>

分析化学 環境分析化学 環境分析化学特論

<研究室所在>

第一校舎5号館6階607室

研究テーマ

本研究室では、化学物質を通して、生物(主に植物)およびそれを取り巻く環境(特に環境変化と生物の応答)の分析を行っており、最終的には目的に応じた分析手法を確立し、農業・農学分野に提供することを目指しています。

 植物は環境から栄養素の欠乏, 過剰, 重金属, 乾燥, 塩, 酸, アルカリ, 低温, 光, 機械的刺激など多様なストレスを受けており、従来、農業現場における植物の状態把握には生産者の経験に依存するところが多く、客観的な指標で植物の状態を“分析・数値化”する手段は限られていました。

 そこで、その指標として根からの滲出物に着目し、活性酸素種(ROS)やそれに由来するラジカル種、蛍光物質などを分析し、植物の状態把握に利用できないか検討を行っています。また、他にも微生物資材の作用機作の解明や、現場分析用の小型センサーの応用など、フィールドにつながる分析化学を目指しています。

<具体的な実験テーマ>

  • 栽培環境を測るための新たな分析手法の開発

 明治大学黒川農場の太陽光型植物工場では、温室内の温度、水耕液の温度や電気伝導度(EC)がモニターされています。水耕液あるいは土壌抽出液中のミネラルの経時変化の分析のため小型化が可能な検出器である非接触型電気伝導度検出器(C4D)の適用を検討しています。(写真は現場分析を行った際の様子)

  • 物質の分析を基礎とする植物の状態管理法の確立: 植物根滲出物の分析 (A)

 植物の根は外界からミネラルを吸収するだけでなく、逆に様々な化学物質を放出しています。有機酸やアミノ酸、糖や核酸、活性酸素種(ROS)など、環境に応じて様々なものを放出し,それらの分析を介して植物の状態管理法の確立を目指しています。

 

・研究室メンバー:修士2年1名;修士1年1名;学部4年7名;学部3年7名

研究業績

<論文・著書>

1) Ito, Y., Yazawa, H., Kikuchi, S., Abo, M. A new application for the quantification of apoplastic redox radicals of plant roots using pre-fluorescent probe, Biosci. Biotech. Biochem., 82, 2, 225-228, 2018.

2) 長谷部誉人、広島千早紀、東良太、吉野将紀、岡部勝美、安保充:非接触型電気伝度検出CEを用いる薄膜水耕における循環水耕液中の主要無機イオンの定量、分析化学、65, 283-288, 2016.

3) Abo, M., Osakabe, Y., Yamaguchi-Shinozaki, K., Yoshimura, E.  Measurement of Potassium Content in Arabidopsis, Bioprotocol, 3, 23, 2013., DOI:10.21769/BioProtoc.990

4) Abo, M., He, L., Sato, K., Okubo, A. Determination of monosaccharides derivatized with 2-aminobenzoic Acid by capillary electrophoresis, Methods Mol. Biol., 984, 45-50, 2013.

5) 安保充(共著者 北本勝ひこ、妹尾啓史、他57名)分担執筆「2章 無機成分分析法」(p7-10,21-22,29-41) 実験農芸化学 朝倉書店 2013

 

<学会発表>

1) 伊藤洋輔、矢澤正道、菊地俊介、安保充. 植物根細胞外ROSとボーダー細胞を用いたストレス応答評価. 日本農芸化学会2018年度大会

2) 藤田洋志、植松寛暁、土田夏穂、城所美紀、菊地俊介、安保充. 主成分分析と組み合わせた蛍光スペクトルによる植物生育状態モニタリング. 日本農芸化学会2018年度大会

3) 須山隆大、大坪未侑、高橋契匠、加藤愛、藤井紳一郎、安保充. 植物根端における細胞外マトリクス中のDNA分析. 日本農芸化学会2018年度大会

4) 須山隆大、加藤愛、安保充、藤井紳一郎. キャピラリーゲル電気泳動による植物根細胞外マトリクス中のDNA分析の検討. 第37回キャピラリー電気泳動シンポジウム(SCE2017)

5) 伊藤洋輔、江口朋宏、安保充. 植物幼根における細胞外活性酸素種(ROS)のスピントラッピング. 第7回CSJ化学フェスタ2017

6) 伊藤洋輔、矢澤正道、菊地俊介、安保充. 蛍光プローブを用いた植物根細胞外酸化還元物質の選択的分析. 日本農芸化学会関東支部2017年度支部大会

7) 藤田洋志、植松寛暁、土田夏穂、城所美紀、菊地俊介、安保充. 3D励起蛍光スペクトルと主成分分析による水耕栽培植物の生育状態モニタリング. 日本農芸化学会関東支部2017年度支部大会

8) 長谷部誉人、植山智紗、吉野将紀、岡部勝美、安保充. C4D検出器の現場分析への応用. 日本農芸化学会2017年度大会

9) 西片百合、荒城新、松崎雅広、安保充. 微生物資材の植物への作用機作の研究. 日本農芸化学会2017年度大会

10) 菊地 俊介、須山 隆大、城所 美紀、安保 充. 塩ストレス応答時の植物根蛍光滲出物の解析. 日本農芸化学会2016年度大会

11) 江口 朋宏、長谷部 誉人、戸澤 譲、安保 充. ストレス応答に関与する低分子リン酸化合物の分析法の開発. 日本農芸化学会2016年度大会

12) 三橋 弘明、宮下 振一、藤井 紳一郎、安保 充、高津 章子、日置 昭治、稲垣 和三. 単一細胞元素分析による微細藻類と金属ナノ粒子の相互作用解析. 日本農芸化学会2016年度大会

13) 三橋弘明、宮下振一、藤井紳一郎、安保充、高津章子、日置昭治、稲垣和三. 微細藻類における金属ナノ粒子の取り込み・吸着解析. CSJ化学フェスタ2015年度大会

14) 三橋弘明、宮下振一、藤井紳一郎、安保充、高津章子、日置昭治、稲垣和三. 微細藻類における金属ナノ粒子の取り込み・吸着解析. 日本農芸化学会2015年度大会

15) 長谷部誉人、東良太、吉野将紀、岡部勝美、安保充. C4D検出器を利用したNFT型水耕液の簡易分析(その2). 日本農芸化学会2015年度大会

16) 東良太、林俊弘、吉野将紀、岡部勝美、安保充. C4D検出器を利用した植物水耕液の簡易分析. 日本農芸化学会2014年度大会