明治大学農学部農芸化学科食品生化学研究室の内田海登（博士前期課程卒業生）、竹中麻子（教授）は、論文「Essential Amino Acid Intake Is Required for Sustaining Serum Insulin-like Growth Factor-I Levels but Is Not Necessarily Needed for Body Growth」を東京大学大学院農学生命科学研究科と共著で発表しました。
必須アミノ酸は必要量を体内合成できないアミノ酸で、体タンパク質合成の材料として食事からの摂取が不可欠です。また、食事からのアミノ酸摂取量が不足するとインスリン様成長因子-I（IGF-I）というホルモンの体内濃度が低下し、体タンパク質合成活性が低下することが知られています。
この論文では、アミノ酸欠乏により血中IGF-I濃度が低下したマウスにIGF-Iを浸透圧ポンプで投与する実験を行い、体タンパク質合成の材料となるアミノ酸が不足していても、IGF-Iが存在すれば体重が維持できることを明らかにしました。必須アミノ酸は「体タンパク質の合成材料として必須である」と考えられていますが、「IGF-Iの合成に必須である」ことを示す結果で、必須アミノ酸の定義にパラダイムシフトをもたらす研究成果です。