ゲノム微生物学研究室の島田 友裕 教授、小林 一幾 助教は、日本電信電話株式会社(NTT)宇宙環境エネルギー研究所の今村 壮輔 上席特別研究員、岡本 健 主幹研究員との共同研究により、DNA基質合成酵素阻害剤であるヒドロキシウレアの感受性を決定する転写因子とその制御機構を同定しました。本研究成果は、微生物のDNA維持や長期生存の理解に役立ちます。
生物がゲノムに持つ遺伝子を選択的に利用する仕組みを理解することは、ポストゲノム時代の生命科学分野における先端的研究課題の一つです。今回、機能未知推定転写因子YnfLの機能解析を行いました。その結果、YnfLがDNAの基質であるdNTPの合成酵素や再利用酵素、また、DNA損傷修復酵素の遺伝子群を活性化していること、また、DNA基質合成酵素阻害剤であるヒドロキシウレアの感受性を決定していることを明らかにしました。さらにYnfLは、長期生存、特に窒素飢餓条件において、重要な役割を担っていることを見出しました。これらYnfLによるゲノム転写制御機構の解析から、微生物がDNAを維持し、長期生存するための新たな仕組みが明らかとなり、YnfLをHusR (hydroxyurea sensitivity regulator)と命名しました。
本研究は、日本学術振興会による科学研究費基盤C(代表:島田友裕)等の援助により行われました。研究成果は原著論文として、スイスの国際学術誌「Microorganisms」(電子版)に2026年1月7日付で掲載されました。