アフリカなどの地域で甚大な農業被害をもたらしている根寄生雑草は、寄生する相手の根から分泌されるストリゴラクトン(SL)と呼ばれる化学分子を認識することで発芽します。これは、寄生することなくしては生存できない寄生雑草が有する、極めて巧妙な生存戦略と考えられます。一方、SLは、植物の枝分かれを制御するホルモン分子として、植物において重要な役割を持っています。根寄生雑草は、他の植物から分泌されるSLを認識するだけではなく、自身の成長を制御するために、自らSLを生産する能力を有する可能性が考えられますが、これまでこの点に関する研究はほとんどなされていませんでした。この度、植物制御化学研究室(瀬戸義哉准教授主宰)の大川大地(博士前期過程修了)、瀬戸義哉(准教授)らの研究グループは、宇都宮大学バイオサイエンス研究センターの野村崇人准教授らとの共同研究により、根寄生雑草においてもSL生合成機能が保持されていることを明らかにしました。今後、根寄生雑草が生産するSLがどのような生理的役割を有しているのか?、が解明されることが期待されます。
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