【論文掲載】「オートファジー」が植物の接木に関与

田畑 亮 准教授(研究当時:名古屋大学 生命農学研究科 特任講師)は、野田口理孝 京都大学大学院理学研究科 教授 兼 名古屋大学生物機能開発利用研究センター 特任教授および黒谷賢一 同准教授(研究当時:名古屋大学同センター 特任准教授)が主導するプロジェクトにおいて、吉本光希 明治大学農学部生命科学科 教授、篠崎大樹 東京大学大学院農学研究科 助教(研究当時:明治大学研究知財戦略機構 博士研究員)、岡田健太郎 名古屋大学同センター 特任助教、豊岡 公徳 理化学研究所環境資源科学研究センター 上級技師らとの共同研究により、植物に接木を実施したときに生じる傷の修復過程にオートファジーが関与していることを発見しました。

接木は二つ以上の植物個体を人為的操作によってつなぎあわせて育成する、有史以前より利用されてきた農業技術です。その成立には個体間の自他認識、傷口からの病原体等の侵入抑制、組織の脱分化、カルス形成、細胞間の癒合、通道組織の再構成など、多数の生理応答が関わっていると考えられますが、まだまだ不明な点が多く残されています。今回、傷口の修復過程において、特に切断面の上側の細胞群がオートファジーによる自食作用で分解を受けることが新たなカルスの形成を促し、接木の成立に寄与することを示しました。これにより接木や、植物の傷修復時に起こる生理現象の一端が解明され、植物の傷害応答についての理解や、接木の農業利用のさらなる応用につながることが期待されます。

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https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2025/qfki0t000002bdh3.html

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